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2011年 02月 11日
長野県・松本市、西穂高岳にて。 乗鞍岳は、地理の教科書などでは、飛騨山脈(北アルプス)に分類されることが多い。 ただ、山登りをしている人間としては、距離的にかなり離れているので、完全な独立峰の感が強い。 実際、北アルプスの山から望む乗鞍岳は、なかなか優雅な裾野が見渡せる、孤高の山として聳える。 望遠レンズで乗鞍岳を覗くと、頂上から少し下がった所にドーム状の建物が確認できる。 これは国立天文台のコロナ観測所で、太陽の観測を行っていた施設だ。 「行っていた」と記したのは、一年ほど前老朽化の為、閉鎖してしまったから。 コロナ観測は、高度680kmに軌道する太陽観測衛星「ひので」に引き継がれたという。 東京の市街地、三鷹に「天文台通り」がある。 これは、三鷹の国立天文台に通じる道なのだが、戦前は東京の郊外でも天体観測が可能なほど、空気が澄んで、光害が少なかったということなのだろう。 その後天文台は、観測条件の良い場所を探し、3,000m峰の乗鞍に観測所を建てた。 そして、より条件のよい人口衛星に移り、より高く、より天に近づいた。 もっとも、NASAなどは、太陽観測衛星「STEREO」を2基打ち上げ、5年がかりで地球の公転軌道上に、太陽をはさんで配置したとのこと。 つまり、太陽の表と裏の全てを、同時に観測可能だということだ。 やることが凄い、という他ない。 アメリカという国は唯我独尊で正直好きになれないが、こういう壮大な計画に予算が認められる、つまり国民のコンセンサスを得られるという点で、日本は足下にも及ばないのだろう。 里から山へ、そして宇宙へ。 人間の探求心は限りはない。
by small-talk
| 2011-02-11 08:53
| 北アルプス
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Comments(10)
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rollingwest at 2011-02-11 17:53
三鷹展望台も、乗鞍展望台も訪問しました。先日、BSでガリレオの開発した望遠鏡発展の歴史を見ましたが、人類の天文への憧れ・技術進歩は目を見張るばかりですね。NASAのSTEREOの観測力はハッブル望遠鏡の何百何千倍というレベルなのですかね?謎の暗黒物質を解明できるかもしれない・・。
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small-talk at 2011-02-11 18:19
rollingwestさん、いらっしゃいませ。
STEREOは太陽観測衛星なので、ハッブルとは観測対象が違うと思います。 Wikipediaでハッブルのスペックを見たのですが、焦点距離が57.6mなのですね。 つまり、57,600mmの望遠という訳で、身近な写真レンズなどと比較すると、とてつもないスペックです(笑)
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al17 at 2011-02-11 23:50
small-talkさんのお写真も大好きですが
味の有る語りが堪りませんねぇ~^^ 晴れた日に 観測所が見えたら もう それだけで感動していた子供時代を思 い出しました。ちなみに筑波山ですが>。!
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takeshi_kanazaw at 2011-02-12 08:07
乗鞍岳と西穂高では、平湯などの奥飛騨温泉郷を挟んで随分離れていますね。 数十キロはありますよね。
ところでレンズの話ですが、何時も山の写真を拝見して疑問に思っているのですが、貴兄のお使いのレンズはどんなもの? 西穂高から乗鞍がこんなに綺麗に写せるのは凄い。 私は写真の素人ですので、レンズのことはサッパリわからない。
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small-talk at 2011-02-13 17:47
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small-talk at 2011-02-13 17:49
takeshi_kanazawさん、いらっしゃいませ。
レンズですが、今回はニコンの手ぶれ補正付きの70-300mmです。 遠景の被写体はフラットになりがちなので、コントラストは強めにしています。
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small-talk at 2011-02-13 17:51
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lens_hell at 2011-02-15 20:28
やはり、科学技術は一番の方がいいのであります。
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small-talk at 2011-02-18 07:26
lens_hellさん、いらっしゃいませ。
最近の先端科学は費用がものすごくかさむので、国を超えた共同研究が多いですよね。
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