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2012年 09月 23日
長野県、南木曾市にて。 山仲間に誘われ、馬籠から妻籠を歩いた。 有効期限間近の青春18きっぷ(JRの鈍行乗り放題きっぷ)が余り何処かへ行こうという、プロ野球で言えば「消化試合」みたいな旅だ。 消化試合だから、気負いは小さい。 あまり欲張らなくともいいじゃない、という暗黙の了解がどことなく漂う旅。 こういう旅は、なかなか心地が良い。 目標を大きく掲げた旅は、もちろん素晴らしい。 大げさにいえば、それは未知への探求であり、それを成し遂げるために努力を惜しまない旅。 コロンブスが新大陸を目指したように、アムンセンやスコットが南極点へ向かったように。 そんな命を賭けた大エクスプロレーションでなくとも、その個人なりの挑戦する姿勢がある旅は充実感があるだろう。 たとえば、言葉の通じない外国へひとりで出かけたり、初めて富士山に登るとか、他人から見れば大したことがなくとも、それは立派な冒険だと思う。 でも、そんな旅だけでは疲れてしまう。 だいいち、「目標」とか「努力」とか「我慢」とか、それが束の間と言えど、日常生活から離れて旅だったのに、本末転倒ではないか。 気負わず自然体で、そう、近所を散歩するような肩の力を抜いた旅。 古道を歩き、両手で湧き水をすくい、疲れたら道すがらの茶屋で蕎麦をすする。 消化試合のような旅だから、がむしゃらになる必要はない。 貧乏性だから、なまじ資本を注入してしまうと、それに見合った見返りを旅に求めてしまう。 でも、所詮、消化試合だから、元を取らなくともよい。 目の前に現れたものに身をまかせ、それを受け入れるだけでよい。 「所詮」がとても素晴らしいことに気が付いた。 石畳の道は森に囲まれ、晩夏だというのにさほど暑くない。 河原に出るとトンボが飛んでいた。 僕らは風とともに、ほんの少し秋を受け入れた。
by small-talk
| 2012-09-23 19:52
| 甲信越
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Comments(6)
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AL17 at 2012-09-23 21:27
small-talk さん 素敵な風情の散策すね~^^
文章にも又心地良い風が吹いていて ほのぼのと こちらまで 心和ませて頂き嬉しくなりますよ~ 昨日は突然alpha55のスイッチが押せなくなり 10月15日が保証期間リミットで 慌てて修理に 持ち込みました。新宿迄~><! ついでにα57の本体も買い コニミノのクリーニング 1000円(ポイントで無料)をやって貰いました^^! 実はビール作りの体験にも 登戸迄行って来ました。 一度目は 鍋でビールの素や甘味を煮詰めて イーストを入れたりで 樽で発酵させて置き 今回は2度目の工程で 瓶詰め作業をして 持ち帰りましたが 飲むのは1週間後~です^^ 簡単に地ビールが出来て 面白かったです^0^
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こんな素晴らしいところを歩いたのですか、良い経験でしたね。
求めることは大事ですが、求めないことも同等に大事なことなのでしょう。 目先の資本投下に見合わなくても、気にしない(笑) 与えることほど幸せなことはない、それに通じる話でしょうか。 ちょっと違う? 求めないが故に得られるもの。
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takeshi_kanazaw at 2012-09-24 14:48
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small-talk at 2012-09-25 08:48
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small-talk at 2012-09-25 08:49
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small-talk at 2012-09-25 08:51
takeshi_kanazawさん、いらっしゃいませ。
消化試合、というと言い方は悪いですが、要は欲張らずに旅をしたいという趣旨です。 馬籠・妻籠は、評判通り素晴らしいところでした。 あれだけの町並みを保存しているのは、並々ならぬ努力があってこそだと、地元の人に感謝しています。
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