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2012年 10月 03日
長野県・南木曽町、妻籠にて。 妻籠の宿は風流だ。 街全体で宿場町としての気品を落とさぬよう、取り決めがなされているのか、軒先の小物にも神経が行き届いている。 観光客が、昔ながらの良き宿場町としてのイメージを裏切らない配慮。 斜に構えていえば、ブランドイメージを向上させるマーケッティング戦略、なのだろう。 でも、ここは明治村のように、単に昔の建物や道具が保存されているだけではない。 今も人の生活が息づく街だ。 公園にポツンと置かれた動かない蒸気機関車ではなく、今も汽笛を鳴らし煙を吐きながら邁進する動態 保存の蒸気機関車のようなものだ。 そんな街の軒先に、てるてる坊があった。 成層圏から気象衛星で雲を俯瞰する時代の子供は、果たして「てるてる坊主」など吊すのであろうか。 などと、書きながら思ったのだが、昔の人だっててるてる坊主を吊したから晴れる、などと思っていなかっただろう。 気休めとは言わない。 自分がコントロール出来ない事象に対して、それでも何か行動を起こさなければ、気持ちのやり場がないから、てるてる坊主を吊したのだろう。 自分を納得させるために。 そして、街ゆく人に、自らの思いを伝えるために。 一見無意味な行為だろう。 てるてる坊主を見た隣人は、軒先で主人と会えばこう話すだろう。 「そろそろ、日が照って欲しいですよね」 たわいもないかもしれない。 でも、思いを共有しているという「安心感」は、コミュニケーションとして重要なのだ。 それは心に晴れをもたらす、てるてる坊主なのかもしれない。
by small-talk
| 2012-10-03 19:02
| 甲信越
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Comments(12)
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iwamoto
at 2012-10-03 19:19
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てるてる坊主は、祈りでしょうね。
希望の可視化かもしれません。 宣言のような。 でも、やはり、ささやかなところが良いですね。
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at 2012-10-03 19:20
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ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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takeshi_kanazaw at 2012-10-03 22:30
妻籠は結構立ち寄るのですが、貴兄のような目線がなくて。
これからは少し考えてカメラを向けないと・・・・。 妻籠は宿場の保存地区としては、先駆者のようなところがあります。 最近は観光客が多すぎるきらいがあるのですが、町の保存活動数十年の工夫が現在まで生きているのかも知れませんね。
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doronko-tonchan at 2012-10-04 07:47
歴史が息づいてます。
流儀は変えられないのでしょう。
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small-talk at 2012-10-04 08:38
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small-talk at 2012-10-04 08:39
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small-talk at 2012-10-04 08:41
takeshi_kanazawさん、いらっしゃいませ。
今回は帰りの汽車の時間などがあり、滞在時間が短かったので、あらためてゆっくりと撮りたいですね。
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small-talk at 2012-10-04 08:42
doronko-tonchanさん、いらっしゃいませ。
そうですね。核家族となりやすいご時世ですからね。
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dacha883 at 2012-10-04 23:09
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small-talk at 2012-10-05 09:02
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sho-m1228 at 2013-11-26 12:11
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small-talk at 2013-11-27 08:31
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