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2018年 08月 16日
※写真をクリックすると、拡大してご覧いただけます。 新潟県・妙高市、火打山にて ワタスゲの揺れる天狗の庭から、火打山を望む。 東の彼方から、ようやく池塘にも朝日が射し始めた。 池塘には、赤いモウセンゴケが彩り、心なしか夏から秋への兆しを匂わせる。 火打山は、昔、結構登った。 山の中腹にある高谷池に、テント場がある。 登山口から、3〜4時間、北アルプスなどに比べれば、比較的楽な行程。 水の豊富な池の畔の、快適なテントサイトだ。 お金に余裕のない若い頃、随分お世話になった。 当時は、夜行の急行が走り、最寄りの妙高高原駅に停まった。 夜行ならば、朝から登られる。 東京からのアクセスも良く、登りやすい山、だった。 長野新幹線が開通するまでは。 そして、人の少ない、静かな山だった。 北アルプスのような、人の目を惹く華やかさはなく、むしろ地味な山。 しかし、池塘には花々が咲き乱れる、優しさに包まれていた。 別天地と呼ぶに相応しい、そんな山だった。 長野オリンピックにあわせて新幹線が開通し、当然のように信越線の夜行は廃止となる。 なにせ、夜行どころか、信越線・横川〜軽井沢間の在来線が無くなったのだから。 自家用車のない僕にとって、行きにくい山となった。 おまけに、日本百名山ブームで、昔に比べ、賑やかな山となったと聞く。 何時しか、足は遠のいた。 夜行列車がほぼなくなった今、その代わりに夜行高速バスが、充実し始めた。 捨てる神あれば、拾う神あり。 ある時、新宿から長野へ向かう夜行バスを使い、列車とバスを乗り継ぐと、登山口に8時くらいに着くことを「発見」した。 ならば、久しぶりに、火打に逢いに行こうか。 未明に着いた長野から、列車に乗る。 「長野行」新幹線は、金沢まで伸び「北陸新幹線」となった。 そのあおりで、昔の「信越線」は第三セクターの「しなの鉄道・北しなの線」に代わってしまった。 何の事はない、かつて国鉄の「お荷物」だった地方のローカル線を、再び地方自体に負担させているだけ。 それはともかく、長い年月が経ったことを実感する。 久しぶりに訪れた妙高高原の駅は、可哀想なくらい鄙びていた。 かつての土産物屋さんや駅前食堂の賑わいも、今はない。 新幹線が開通し、モータリゼーションが発達し、地元にとって、ローカル線には用がないのだろう。 記憶なんておぼろげだから、自信はないが。 登山口も、随分、様子が変わった。 駐車場が整備され、たくさんの車が停まっている。 窮屈な車の間を縫って歩くと、立派なログハウス風のゲートのあり、なんと無料W-iFiまで完備されていた。 昔は、もっとぶっきらぼうで、いや、素朴な山の入口だった筈だ。 まあ、皮肉めいたことを書いている割に、ちゃっかりWi-Fiでネットに接続し、天気予報などを確認したりしたが(笑) 四半世紀ぶりの山。 予想はしていたが、随分賑やかになった。 それでも。 昔通りに、天狗の庭の向こうに、火打山が、ちゃんと聳えていた。 花も、雲も、風も、草の匂いも、記憶のまま。 ホッとした懐かしさが、目の前に広がる。 山を取り巻く環境は変わったが、山はそこにあった。 人間の都合はコロコロ変わるが、山は動じない、のだろうか。 山が「初恋の人」ならば、幸せかもしれない。 いつか再会したとしても、記憶そのままに、変わらない美しさ。 いや、それは残酷かもしれない。 自分だけ、歳を重ね、老いてしまうのだから。 夕刻、若かりし頃よりも、遠く感じられる頂上を登りつめる。 もう、この時間、山頂には誰も居ない。 というよりも、誰も居ないであろう、夕刻を狙って登った。 久しぶりの山には、静けさが欲しいから。 見下ろすと、登ってきた道が見えた。 慎ましくとも、誇るべきものは、何もなくとも。 それは、四半世紀の、歩みの道かもしれない。
by small-talk
| 2018-08-16 21:00
| 北陸
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Comments(10)
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umi_bari at 2018-08-16 21:25
湿原の写り込みに青空、素晴らしいですね。
お見事バグースです。 夜行の急行、有りましたね。 新幹線は早いですが、駅がない地域は逆に 不便になってしまいましたね。 在来線も必要だと思います、地元の足ですからね。
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dacha883 at 2018-08-16 22:39
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kochira703 at 2018-08-16 23:05
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takeshi_kanazaw at 2018-08-17 07:29
ゆったりとした時間の流れを感じますね。
テントをふらりと出ると、こんな風景が広がっていたのかな・・・。 何処へ行くにも車を使う私。夜行列車や高速バスの感性がない。 ユックリとした気分を逃しているのかもしれません。 旅の方法を考え直すかな・・・・。
八月は、来し方行く末を想う時のように思われます。
日本人には特にそうなのかもしれません。 左に見える三角形が、まさにその形が示す火打なのでしょうね。 40歳で、丘越えの祭りというものがあるそうです。 どこの国だったか。 坂を降りてゆく人生を考える、ということでしょう。
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small-talk at 2018-08-17 12:09
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small-talk at 2018-08-17 12:11
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small-talk at 2018-08-17 12:12
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small-talk at 2018-08-17 12:14
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small-talk at 2018-08-17 12:18
iwamoto さん、いらっしゃいませ。
名前は諸説あるようですが、火打ち石に形が似ていることと、火打ち石が採れることが有力なようです。 過去を振り返るのは建設的ではないのでしょうが、思考の原点として、鑑みる必要はあると思います。
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